あこやひめの配達車両
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  • 株式会社あこやひめ

次世代へ引き継がれる企業をめざして

2005年に下灘漁協女性部の加工部として発足した「あこやひめ」は、現在株式会社として活動しています。2016年には加工場を併設した自社店舗を設立し、パール製品や水産物の加工品開発、ランチ営業など多様な活動で、地元の雇用促進にも一役買っています。

活動種別:加工食堂漁業・養殖業

愛媛県の宇和島は、真珠養殖の盛んな地区ですが、1996年にアコヤガイの大量死が起こり、地元の養殖業者が次々と廃業していきました。武部月美さん(株式会社あこやひめ代表)はこのような時期に漁協女性部長を引き受け、こういう時だからこそ女性たちが頑張って宇和島の漁業を支えていこうと、女性部有志メンバーと共に2005年加工部を結成、地元の雇用促進と、とりわけ地元真珠のPRのために活動を開始しました。2007年には「企業組合あこやひめ」として法人化し、道の駅きさいや広場のテナント店として、テイクアウトのお弁当や真珠をはじめとする加工品の製造・販売へと活動を広げていきました。中でもアコヤガイの貝柱入りのパールコロッケは大ヒット商品となり、貝柱の値段は7倍にまで高騰しました。

けれど、総菜販売はなかなか儲けが出ない、真珠製品は手ごろな値段設定がかえって品質への不信感を持たれるという課題にぶつかっていきました。そんな時、地元に戻ってくる若者を見かけるようになります。武部さんたちメンバーは、地元に若い人が安心して働ける場を確保すること、という活動の初心に立ち返り、きちんと次世代に引き継がれる強い組織となるために、株式会社として再出発すること決意しました。2015年に「株式会社あこやひめ」が設立し、翌年には加工場を備えた自社店舗も完成、これまでの9名のメンバーに加え、新たに8名を雇用して、真珠の展示販売や体験、レストラン、加工品開発に取り組んでいます。地域や県との連携事業や国体などの大口の弁当予約なども受けられるようになり、そこからさらにネットワークが広がっていっています。また、愛媛県による地元中学生の職場体験事業(えひめジョブチャレンジu-15)の受け入れも始まりました。

地元水産物の販路拡大やPRを通して、地元に根付いた企業となり、さらにこれから先の世代への受け皿となって展開しているあこやひめさん。活動のバンドはこれから様々な人たちによって受け継がれていくのだと思います。

選手や関係者のお弁当

2017年のえひめ国体では、選手や関係者のお弁当を請け負いました。

あこやひめの配達車両

あこやひめの配達車両

真鯛のパスタ

真鯛の旨味干し(冷凍真空パック)を使った、真鯛のクリームパスタ。あこやひめさんのレストランで、大人気のメニューです。

鯛まんじゅう

コロナで地元の養殖鯛の行き場がなくなったこともあり、あこやひめさんも鯛押し商品を充実させて地元漁業に貢献しています。この「鯛まんじゅう」は、うみひとネットの月例ミーティングの試食会にもご提供いただきました。とっても美味しかったです!

真珠を使った素敵なアクセサリー

地元の真珠を使った素敵なアクセサリーをお手頃価格で販売しています。

武部さんの家も真珠養殖

あこやひめ代表の武部さんの家も真珠養殖をしています。